『小泉武夫のミラクル食文化論』はお腹を空かせて読むといい

小泉武夫さんは東京農業大学名誉教授、農学博士、文筆家であり、著作もたくさんある方なのですが、今回小泉さんの東京農業大学における最後の講義を書籍化したものです。

小泉武夫のミラクル食文化論

小泉武夫のミラクル食文化論

といっても、専門家志望の生徒向けの高度な専門性のある授業でなく、「食文化論」として、人類の食生活の多様性、また現在の食生活を形成するに至るまでの経緯等について、極力難解な言葉を使わず小泉さんが語っています。小泉さん曰く、講義にはチョーク数本と、世界各地で撮影した食に関する写真、その他資料的な書籍しか持参せず、教科書・参考書は一切ないそうです。学生にも教科書・参考書を買わせないそうです。ほぼ丸腰で小泉さんがバイタリティだけで講義したものなので、文章にも熱気がこもっていて一気に読めます。
現在の食生活の背景について造詣を深めるために最良の書籍だと思います。