映画「キリング・フィールド」はやはり一度は見ておくべき

キリング・フィールド [HDニューマスター版] Blu-ray

キリング・フィールド [HDニューマスター版] Blu-ray

この映画は一般的なレンタルビデオ店になく、TSUTAYA DISCASでも借りられず、ということなので思いきってアマゾンで買って観ました。本当にその価値はあったと思います。

映画「キリング・フィールド」は、カンボジア内戦またその際のクメールルージュによる大虐殺をテーマにした実話に基づいた映画です(1984年公開)。映画は基本的に実在の人物、実際に行った出来事が描かれているのですが、主人公であるアメリカ人記者Sydney Schanbergとカンボジア人記者Dith Pranの二人の体験が映画の軸となってます。

1984年の映画ということもあり、例えば大虐殺の凄惨さを生々しく再現するような描写はありません。恐らく、現代的に作り直されたなら、その凄惨な場面を冒頭に持ってきて一気に観衆をひきつけるという形をとるでしょう。

しかし、刻一刻と変化する状況の中で高まる緊張感、そしてその中で最善を尽くそうとする人々の表情と行動に引き込まれ続け、色んな意味で胸を締め付けられる気分になります。引き込まれる演技はある意味当然で、Dith Pranさんはジャーナリスト役ですが、本来はカンボジアで医者をされており、実際クメールルージュに4年間拘束されて強制労働に従事していたそうです。彼が作中で強制労働する場面があるのですが、これはリアルに体験した出来事の再現そのままだったのです。

ラストも感動的なシーンなのですが、作中で辿ってきた一連の出来事の歴史的意味や、非業の運命を強いられたカンボジア人の方々が脳裏から消えないので、個人的には厳粛な感動を感じました。コメディとかのぱ〜という感動とかではなく。
テーマ、映画の出来も素晴らしく、ほぼ歴史の教科書といって間違いないと思います。現代人は必ず人生のどこかで観ておくべき映画と思います。

原作はこれらしいです。

キリング・フィールド (角川文庫 (6156))

キリング・フィールド (角川文庫 (6156))

一方、Sydney Schanbergさんご本人の著作もあり、こちらもおもしろそうですね。

The Killing Fields: The Facts behind the Film

The Killing Fields: The Facts behind the Film

ただ、この本のタイトルから邪推すると、もしかしてSydneyさんは映画の作中に何か違和感を感じることがあったのでしょうかね。。