内勤女性からの訴えメールの深層にある問題の本質

私の顧客の会社社長から先日メールが転送されてきました。
それは、その会社の内勤女性社員(営業事務担当)がその社長、またマネージャー達に送ったメールで、現場にでる営業部員に対するクレームがその内容でした。
しかし、クレームといっても、きちんと言葉を選んで、順序立てて書かれている上、営業部員やマネージャー達に対する敬意も忘れていない構成となっており、よくできたメールでした。

基本的にきちんとしたクレームが営業現場、特に末端の現場で戦ってくれている方々から上がってくることはよいことであり、今回も問題が深刻化する前に対処できることは、会社全体としてもプラスだと思います。

一方、私がその文章、おそらくA4一枚は埋まる分量の文章をみて、まず思ったのが、
「この文章を書くのにどのくらい時間がかかったのだろう」
「この文章を社長、マネージャー達が精読するのにどのくらい時間が取られるのだろう」
ということでした。
上述の通り、非常にわかりやすくよくできた文章です。考えて、言葉を選んで文章を組み立てたものです。だから一層時間がかかったことが垣間見れます。恐らく1時間以上はかかっているのではないでしょうか。
私は、この文章作成に使う時間は実務の方に配分してほしいなと率直に思いました。読む側もマネージャー数人と社長がそれなりに注意して読むわけですから、二重で時間が取られてしまいます。

この会社のオフィスは中規模のワンフロアオフィスに社長から事務職員まで全員が机を並べています。つまり声をかけようと思えば、声をかけられる物理的距離感なわけです。

例えば、今回のように業務運営に問題を発見した場合、口頭でマネージャーか社長に説明し、即ミーティングで話し合えば、30分以内にとりあえずの解決策はまとまるはずです。そして、その解決策を実行しても一発ですべて問題は解消されないでしょうから、その度またミニミーティングを行い地道に問題を縮小させていく、、というプロセスが最短ルートだと思われます。

きっと、薄々そんなことは、その女性社員を気づいているはずです。それにも関わらず、声が届く範囲の人達に対してメールを送った。
これは、その女性社員とマネージャー+経営陣側とに心理的障壁があることの左証と思われます。普段、一見仲良く世間話をしていたとしても、業務上のシリアスな話な話になると真正面から相談できない、、みたいな。

ただ、その心理的障壁の取り除き、日々起こる問題をすくい上げ、解決への対策を講じるのはマネージャーの役割です。
よって、今回の問題がこのような形で露出する根源には、「マネージャーのリーダーシップの欠如」ということがあると考えています。
表向きの問題と真相に潜む本質がずれている好例だと思います。