2年目を迎えた社会人から切実な相談

先日、とあるベンチャー企業に務める社会人(この4月で2年目突入)から相談を受けました。
自分がやりたい仕事と、会社からこれから任される仕事との差に悩んでいるようでした。

私は、きちんと交渉してみるべきで、ある意味すごくいい訓練の機会だと、伝えました。

会社員である以上、自分のやりたいことと、会社の意向がずれるのは宿命に近いモノがあります。
特にベンチャー企業は体制が変わりやすいし、大企業みたいに昇進ルートがあるわけでもないので、より一層自分の意志と会社の意向がずれる傾向が強いものです。
そこで、個人としてどう行動するかですが、ざっくりわけると、以下2タイプかと思います。

1.とりあえず文句ばっかりいって、現状を甘受するタイプ(世の9割以上)
2.変化をチャンスに転化すべく、自ら仕掛けて環境ごと変えていくタイプ

私は、会社員でいるにしても、将来独立するにしても、社会人は皆2を目指すべきと思っています。
そのために、自分より力を持っている人と交渉する訓練を、若いうちに積んでおくのはとてもいい経験だと思っています。そして力を持つ上長との距離が近いベンチャー企業はその訓練を積む最高にいい環境と思います。
力を持っている人に自分の主張を認めさせるのは、色々ポイントがあると思います。ただ自分の意向を強行に主張するだけでは通用しないし、何も要求しなければ何も得られない。
その、「押し」と「引き」のバランスをどこでとるかを、落とし所をどこに捉えるかを、事前の情報収集+交渉現場での相手の反応見極めていく。
そこで、会社の意向と自分の意志とに折り合いがつけばそれはそれでいいだろうし、どうしても無理なら辞めればいいと思います。

一方、個人的な印象をいうと、情況の変化を割とポジティブに捉えて、自分を柔軟に変えていける方がいい目がでると思います。これは妥協ではありません。
というのも、本当に社会って変化に富んでいて、自分にとって、どういう経験がプラスになるかなんて、本人も他人も全然わからないものなのです。人生万事塞翁が馬とはいいますが、格言嫌いの私でもこれは至言だと思います。
今プラスに思っていることが1年後マイナスになることもあるし、逆も全然あると思います。
例えば、「やった!最高のポジションだ!」と思ったらその部署でパワハラにあって鬱になり、数年棒に振るなんてよく聞く話だし、例えば海外調達したいのに、いやいや国内営業に回されたけど、なぜかうまくいった実績が認められて海外営業の仕事が入りまくって、海外調達より全然面白い!なんてよくあるオチです。
私は目まぐるしく変わる状況に対する移り見の速さ、どんな状況におかれても自分にとってのポジティブな一面を見いだせる柔軟性こそが、逆説的にその人の「強み」になると思います。
もちろん社会人として、人として、絶対に変えてはいけないプリンシプルもありますが、それはまた別の機会に考えていきたいと思います。