マネージメント考「徹底して実行させる力」とは:日報、ToDo Listの運用について

私はCOOをという仕事をしていますが、基本的に「人は動かない」と思っています。
そして完璧に我が意を得たりという記事がありました。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20121112/239302/?P=1

一番重要なポイントは、下記部分だと思います。

“判断を下したら、それが実現するよう部下に働きかけ続けること。つまり、「良いと思って判断したことを、徹底して実現させる力」こそがリーダーに必要な条件であり、業績はほぼこれで決まると思っています。(1p)”

実際に実務の中でこれをどうするか、日報とToDo Listを使って説明したいと思います。ここではマネージャーと現場で動くプレイヤー(営業部員と仮定)を登場人物とします。プレイヤーはToDo Listでタスク管理して、その結果を日報で報告するというルーティンワークとします。毎朝互いの行動をマネージャー含めて話合うスモールミーティングも開催されるとします。

ToDo List、私はNext Action Listと呼んでいるので、以下略でNALとします。NALの作成方法はGoogle表計算シートGoogle Documentに、すべきタスク(=Action)を1列ずつ項目として書いていきます。必ずマネージャーとプレイヤーが対面で話ながら、すべきタスクは正しいか、すべきタスクは網羅されているか一緒に検証していきます。そして重要なのは各項目(=タスク)に関して、Action Date、つまり実行日をプレイヤー自身に決断させることです。プレイヤーにはスケジュールを持参させ、現実的なAction Dateを各タスクに定義させます。

Next Action Listのフォーマット実例

そして1日がはじまります。
各プレイヤーは、今日行うとコミットしたタスクをこなすごとに、NALを(可能であればリアルタイムで)更新していきます。例えば今日は電話した先方が不在だったので、来週にAction Dateをかえるとか、この顧客にはまったく芽がないので、撤退するので項目削除、とかNALの編集をどんどんやっていきます。
その際、日報も書き始めるといいでしょう。

日報に記載が必要な項目は、下記です。
1.行ったタスク名
2.結果
3.次のAction内容とその実行日
2は長く書く必要はありません。しかし、2は3.次のAction内容の理由づけになっていなければなりません。そして3の項目がない日報は無価値といえます。

マネージャの役割ですが、まず朝の段階で各プレイヤーがNALの中で「今日行う」とコミットしているタスクを記録しておきます(私はNALから別のエクセルシートにコピペしています)。
日中について、事前に各社員のNALについてGoogle上で共有しておけば、マネージャーは各プレーヤーのタスク進捗をリアルタイムでモニタリング、必要とあらばサポートができます。
そして、一日が終わり日報が上がってきたら、各プレイヤーが今日コミットしたタスクを遂行したのか検証します。使うツールは、朝記録したシート、現時点のNAL、日報の3点です。
そして、朝コミットしたタスクが行われており、適切な次のActionが日付付きで定義されていたらマル。もし、どこかに不完全な点があれば、翌日朝のミーティングでマネージャー、プレイヤー一緒に検証します。サポートが必要なものか、ただ本人が忘れていたものなのか、等原因を検証し、その場で改善策を決断してしまいます。例えば、未更新の項目などもいつするのか、その場で全部決断させてしまいます。
そして、朝ミーティングが終わる時には各プレーヤーのNALは再整理されており、その日すべきことも明確になっている状態になります。
そしてまた1日が始まります。

そして最低週に一回は、各プレイヤーとマネージャーは一対一で30分ほどのショートミーティングをして、NALの全項目を共にチェックします。その際全体の方向性が正しいかも検証します。

このように、ある意味地味な作業ですが、継続するのはなかなか骨だったりします。
しかし筋トレと同じで継続することによって、強固な業務遂行能力が組織に備わることは確かと考えています。
「徹底して実行させる力」とは、このような地味な作業をマネージャー、というか社長レベルまでがきちんと行っていくなかで組織に浸透するものと考えています。