経営とオペレーション

一般的に、オペレーション、まぁルーティンワークといってもいいかもしれませんが、オペレーションはビジネスにおいて、あまり日のあたる場所にいなかったりします。
しかし、そもそも円滑なオペレーションがなければ、ビジネスそのものが回らないわけで、単純作業であったとしても、重要な機能を果たしていることは疑いの余地はありません。
一方、経営者は往々にして攻め、つまりいかに儲けの仕組みを強化し、新たに構築したりすることに多くの時間を注ぎます。他社との交渉等、対外的な仕事も多く、いわゆる謂日のあたる場所とはこのあたりをさすことが多いようです。
会社を人体に例えるなら、経営は高いパフォーマンスを出すために筋肉を鍛えること、そして、オペレーションは、人体が正常な動作を維持できるように血液を流すこと、といえるかもしれません。

私が日々観察して思うのが、経営者はオペレーションを軽視する罠に嵌る可能性が結構高いということです。
オペレーションはぱっと見た目は単純作業であったりします。まぁ、頭を使わない誰でもできそうな感じです。通常100%の確実さでオペレーションが遂行されて、まぁ、あたりまえ的な感じです。
しかし、これは結構大きな罠だと思います。

実はオペレーションは、単純作業といっても細かいノウハウの集積で、色んなスキルを駆使し、時に妥協も交えながら、時間内で決められた作業を完了するための各業務のすり合わせをおこないます。そして、情況によって業務のすり合わせかたを工夫して、限られたリソースのなかで最高の解を出そうとするのがオペレーションです。もちろん単純作業のみに終始している方もいますが、オペレーションの全体像って結構アートな側面があるんです。

また、人体内の血液と同じで、止まったら死を意味するので、システム全体の脆弱性に注意を払う必要があります。ただリソースは限られているので、常にオペレーション全体を把握して、どこが脆弱でトラブルが発生する可能性が高いか常にモニタリングして、適切に対処する必要があります。

そして、これらオペレーションを追求すると、逆に通常では考えられない方向から、営業等の収益に繋がる業務(プロフィット・センター)が閃いたりします。
オペレーションって結構奥が深いんですよ。そして、これを軽視している経営者が目の前にいた際はちょっと気をつけるのがいいかもしれませんね。