「統計学が最強の学問である」かは異種格闘技戦で決めてほしいが、相当強いことは間違いない

世の中、「ただ知っているか、知らないか」だけで、人生が180度違ってくることがあります。
進学先、職業選び、配偶者探し、住宅ローンを組むか否か。新しいビジネスを立ち上げ、、等、我々の人生は、要所要所でそれなりの決断を強いられるわけですが、その決断の際に一定の事項を「知っているか、知らないか」という非常に単純なことが、人生の方向性を変えてしまう可能性があります。そして、知らなくてその決断をしたなら、多くの場合、人生は悪い方向に進んでしまいます。

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

この本が紹介する、統計学の基礎知識、というか、統計学の基礎的な考え方というのは、まさにその「知っているか知っていないか」だけで大きな差をつけてしまう事項の一つだと思います。その意味で本書は社会人、必読と言ってしまっていいかもしれません。

日常生活でもビジネスでも、我々は意外と直感や経験のみに依って重要な物事を決めてしまう傾向にあります。
実は多くの場合、統計学的に合理的な選択肢が明らかになっていたり、少なくとも強力な羅針盤を提供してくれたりするのです。我々が悩んでいる事象が実はとっくに統計的に答えがでているものだったりもするのです。

さらに、既に我々の生活を取り巻く仕組みの多くが、この統計学的ロジックに基づいて設計されていたりします。そして、その仕組みのロジックを知らないだけで合理的に損をすることも多々あるのです。例えば、競馬や宝くじは代表例で、何も知らずに参加する人々から合理的に一定の金額を徴収できるように、統計的にうまく設計されています(注:ビジネスだから当然)。もし選挙番組で、なぜ開票が全部終わっていないのに当選確定がでるのか、ピンとこない方はこの本をきっかけに統計学をかじってみるのもよいかもです。

ただ、中盤からは結構テクニカルタームが多くて、結構難しくなります。
とりあえず前半わかる範囲だけ読んで、その後、統計学の基本書を読んで、興味をもてばさらに読み進める等、工夫するのがよいかもしれません。


【参考】
本書に関する素晴らしい書評達
[書評]統計学が最強の学問である(西内啓): 極東ブログ
2013-02-07