映画『凶悪』を観て、その重い空気感に唸る

先週、実際にあった連続殺人事件を題材にした映画『凶悪』を観に行ってきました。
この映画がどういう映画かは、白石監督が直接語っているここをご覧ください。

ちなみに元となった書籍はこちらです。

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

このような実話をベースにした事件ものは、私個人は「空気感」をどのように色づけしているかに注視します。例えば本作のテーマである「殺人」についても、完全に非日常の出来事のわけで、加害者も被害者も凄まじい重圧の中にいるわけです。よって、当事者の目には空気そのものが重く見えているはずで。そしてちょっと抽象的ないい方ですが、非日常になってしまった何気ない田園風景が恐怖に覆われてみえるはずなのです。そこを映画の視聴者である私も少しだけ追体験できるかがポイント、、って分かりにくいですよね笑

本作はその辺の演出は素晴らしくて、拘置所のシーン、被害者が埋められる山林のシーン、等、空気感を演出するシーンがふんだんに織り込まれていました。それがまた登場人物の凶悪性を浮かび上がらしたり。関係ないですが、私がレイトショーで観ていたことも作中に入り込むことを助けたと思います笑
勿論映画の方は、若干サイドストーリーがあったり創作されている部分もあるのですが、それも含めて素晴らしく、資料性も高い映画と思いました。お薦めです!