『高地線』に見る韓国映画のすごさ

久しぶりにすごい映画観ました。最近レンタルが開始された『高地戦』という朝鮮戦争末期を舞台にした映画です。
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このリンクの予告編では「停戦協定が結ばれ、それが実効になる12時間死闘が繰り広げられた」とあって、戦争のドンパチ描写主体の映画という印象を受けますが、実はその「12時間」は映画の後半20分くらいです。よって、メインはそこではありません。

それよりも、戦争という極限状況の中で、最前線で戦う各登場人物の心情や行動の描写がメインです。韓国側の兵士も北朝鮮側の兵士もそれぞれ、色んな思いを持って戦っているわけです。ただ、最前線の兵士達は「早く戦争が終わってほしい」という気持ちは共有しています。そこで敵味方を問わない友情(また愛情)が生まれ、またその友情から葛藤が生まれ、また、それが戦況によって急転されられたり、と朝鮮戦争末期の最前線という壮絶な現場で必死で生き抜こうとする人々の人間活劇となっています。正直、かなり圧倒されました。「戦争をしてはいけない」ということを百回言うより、こういう映画を見させた方がよい気がします。

そして描写にリアリティを持たせているディテールがすごい。
追い込まれた人の表情、人を殺める時のタイミング、戦時の冷徹な判断を下していく人の行動、どう考えてもある程度精神が異常になる「戦争」という状況の中で生きる人々の描写について、演者の方々の演技は素晴らしかったです。以前「アジョシ」という映画を観たときも同じことを思ったのですが、このリアリティ溢れる演技、脚本について、韓国映画って本当にすごいな、と思います。