新社会人が学生だった頃に話していたこと

エッセイ

今日は4月1日ということで、街中には、真っ白のシャツがスーツやジャケットから垣間見える新社会人が溢れることでしょう。
今年は特に、以前交流があった学生達が社会人になる年ということもあって、なぜか私も少し緊張しています。

あまり真っ当な道を歩いたことがない私にも、たまに新社会人達（当時は学生）からアドバイスを求められたりしたので、憚りながらこのような内容の話をしました（全員会社勤めです）。

基本的には、「自由気まま、好きにすればいい」と伝えています。彼ら彼女らの時代には、彼ら彼女らの常識や働き方、ライフスタイルがあるわけで、それは日々を過ごすなかで自分なりに感じて、それに従って生きていけばいいわけです。自分の責任で自分の人生を生きるわけですからね。

それを踏まえた上で、いい目を出しそうなアドバイスとしては下記の通りです。

・人生、万事塞翁が馬すぎる
　「人生、万事塞翁が馬」といいますが、マジそうだと思います。人が羨む大企業に入ったのに、頭の固いおっさんばかりが上司でまったく仕事させてもらえない、で鬱になって長期戦線離脱とか、大企業の夢破れてベンチャー企業に入ったら、めちゃめちゃ水があって20代で役員になってしまった、とか、自動車の仕事やりたかったのに、旅行業界に入ってしまったけど、なぜか仕事が楽しくて仕方がない、とか。こんな例、山の用にあります。むしろ思い通り行く方が少数。本当に数歩先が予測できないのが、社会の面白さだったりします。
よって、キャリアプランなんて考えても時間の無駄。短期的に自分の目標が叶わなかったとしても無視。目まぐるしく移り変わる情況に楽観も悲観をせず、柔軟に自分を変えていくほうがうまくいくと思います。その柔軟性こそが本質的な強さだったりするんですよね。

・悩みすぎる時はさっさと逃げること
社会には悩もうと思えば、悩めることが山盛りです。悩むことが好きな人にはワンダーランドです。よくある社内の人間関係、自分のキャリアプランの理想と現実とのギャップ、同期との競争、などなど。
上で述べた通り「万事塞翁が馬」なので、どの目が出ようとも対して気にせず、自分の道を少しずつ模索していってほしいものですが、まぁ、それでも悩んでしまうというのが正直なところでしょう。
時には悩むことも悪くないのですが、ただ、自分の心が潰れてしまいそうなら、さっさと逃げ出してしまいましょう。その会社で自分しかできない業務なんてありません。というか、あってはいけません（←会社組織として）。自分の仕事は常に他の誰かができるわけで、あなたが一人で責任を感じていたら一人よがりです。つまり、究極はあなたは別にいてもいなくてもいいのです。さらにいうと企業はあなたのライフプランなんてたいして気にしていません。よって、そんな企業のためにあなたの心が潰れる必要はありません。
さらに、会社組織なるもの経済合理性で動いているように見えて、全然そんなことなかったりします。感情を持った人間が動かしている以上、まったくの理不尽が降りかかってくることもあります。そんな理不尽があまりに自分のキャパを超えていたら、さっさと撤退しましょう。耐えることに意味はありません。あなたが耐えていても誰も評価しないでしょう。もちろん会社もです。

・自分で決断する経験を積むこと。その決断の責任は自分にあると認識すること。失敗の山を築くこと
一方、必ずしてほしいことは、日々社会人として、小さなものから大きなものまで膨大な決断をする必要があるのですが、それらの決断は自分で行い、責任は自分にあると考えてください。いくら情況が自分の決断に影響を与える場面があったとしても、それは自分の責任と考えてください。そして、すべての決断が自分の責任と考えると、自然にグチ等、負のエネルギーを持つ発言は口から出てこなくなります。その代わり、情況に応じてよりよく自分を変化させるにはどうすればよいか、という思考にエネルギーを注げます。これが個人の成長に繋がるように思います。
そして、自分で決断していく覚悟ができたなら、失敗を恐れる必要はありません。成功も失敗も全て自分の成長の肥料ですので、周りにどんどん迷惑かけて大胆に失敗していきましょう。たまに成功したらめっけもんですな。

・自分の好奇心に嘘をつかないこと
最後に、私は「自分の好奇心に嘘をつかないこと」を話しています。社会人として一つ専門性を持つわけですが、もちろん広い社会を見ていると、色んなものに興味を持つと思います。時に自分の仕事とはまったく関係のないものにも興味を持つ可能性があります。私はその自分の中から湧き上がる好奇心を大切にする方がよいと思っています。人間の純粋なバイタリティの源泉は、好奇心以外にないというのが私の考えです。もし何かに興味を持った時、それがどんなものでも、仕事に関係なくとも、マイナーなことでも、人からバカにされそうなものでも、大切にしたほうがいいと思います。それが、そもそも生活をするエネルギーの源泉ですし、まかり間違って花開いたり、また、思いもよらない方向から仕事に繋がる可能性もあります。だいたい万事塞翁が馬ですからね笑