ちきりんさんの「民主主義は死んでるけど、資本主義は超元気」考

また面白い記事発見しました。
2013-03-25
これは、人気ブロガーちきりんさんが書かれた記事です。
ちきりんさんは、元アップルのシニアマネージャーで本ブログでも度々取り上げる松井博さんの新著『企業が「帝国化」する』からこの記事のテーマについてインスパイアされたそうです。

私も基本的にはこの記事の考え方に同意します。
特に生活物資に関わる商流などはどんどんグローバルに統合されていくでしょうから、例えば、楽天は確実にアマゾンに滅ぼされるでしょうし、個人的にはイーオンvsアマゾンという構図にもなっていくのだと思います。もちろん現物店頭販売の意義は残るでしょうが、例えばAmazonが必要な物資だけ店舗を構える、というかたちになると思われます。もちろん、既存の日本企業が築きあげたサプライチェーンの構図がそう簡単に潰れるわけなく、そんな数年以内にドラスティックな変化が訪れるわけではないと思いますが、長期的にそういうメカニズムが働きつづけると思います。

それらグローバル巨大企業は、経済学のいう要素価格均等化定理の先兵となって、日本国内の単純労働の単価を行くところまで下げ続けるでしょう。その理由を政府の無策のせいにして、とんちんかんな不平不満を言い続ける人々も一定数増えるでしょう。もしその不平不満をまとめる政治家がでてきたら、それこそ、ここ日本にも独裁に近い体制が生まれ、外国企業の排斥、国有化という事態が考えられます。

よって、個人としてどう仕事すべきか考えると、まず、のっけから世界にリーチする仕事をしなければなりません。自分が作った製品やサービスが地球の裏側のおじさんにとっても有用か常に自問自答しながら設計する必要があるでしょう。英語に関しては習得することが必要ですが、仕事をしながら必要な分だけ覚えるという形でよいでしょう。
そして、模様を防ぐためにも提供する製品やハッタリにはアートに近い要素が含まれている必要があるでしょう。製品自体のデザイン、設計思想、何でもいいですが、消費者が「美しい」とつぶやけるものが必要でしょう。
サービスに関してもアートに近い要素が必要だと思います。逆にアート的、感性的なものが幅を利かすサービス分野は、差別化できる要素があると思います。
今、ぱっと思いついたのは、IGPI(経営共創基盤)の冨山和彦さんの著書『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』です。

IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)

IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)

冨山さんはこの本のなかで、その企業のビジネスの実態を具に観察し、「もうけの仕組み」を把握することが極めて重要と言及されています。しかし、本書を読みこんでも、もうけの仕組みを網羅的に把握する絶対唯一の方程式は紹介されていません。それは当然で、もうけの仕組みといっても、もちろんビジネスモデルが優れていることもあれば、ただ得意先の社長と仲がよくて今の所仕事をもらえている場合、ただ市場環境がよいだけ、等、本当にケースバイケースでしょうから。企業を取り巻く複合的な要素を把握して、「もうけの仕組み」を理解する、というのは極めてアートに近いのだろうと思います。
この、アート要素を含む製品・サービスに加え、ハッタリこみのプレゼン能力があればなおよしでしょう。

さらに個人の生活としては、日本をいつでも脱出できる準備をしておくべきでしょう。通貨を含めた資産も海外分散しておくべきでしょうね。語学はどうせ現地でやばい!という体験をしなければ身につかないから、何もしなくていいでしょう。