先日のちきりんさんの記事のせいで、マイケル・ポーター氏失職か

先日、人気ブロガーのちきりんさんが非常に興味深い記事を書かれていました。
2013-03-12

ビジネスから就職活動に至るまで「自分(自社)の強みを活かせ!」なんて2万回くらい言われてきたし、自分も言ったことがある気もしますが、確かに需要者(消費者、雇用者等)側目線からすると、供給者側(企業、応募者等)の強みなんて、本質的にはクソほどどうでもいい話かと思われます。

特にビジネスの世界では、ただ、顧客を熱狂させる・心に刺さる、また顧客に買う理由を与えるような製品・サービスを開発し、提供しようとするのが先。競合云々の話は後、という順序が正しいのは正論。「強みを活かそう!やー!」と考えた瞬間に、この順序が思いっきり逆になる傾向がある、というのがちきりんさんの仰りたかったことの様な気がします。

ちなみに、私がこの記事を瞬間に頭をよぎったのは、MBA経営学修士号)で必須科目とされる、ハーバードビジネススクール教授のマイケル・ポーター氏が提唱した競争戦略論です。
この理論ってよくよく考えると、もろに供給者目線でないかと。。
[rakuten:book:10776020:detail]
別にMBAホルダーだけでなく、意識の高いビジネスマンは結構ポーターの競争戦略論を勉強していたりします。特に日本では翻訳版がリーズナブルな値段で販売されているので、誰でも勉強しようと思えばできる素晴らしい環境にありますから(たまにBOOKOFFで105円で売ってたりもする)。だいたいMBAホルダーは大企業にいたりしますので、もしかすると大企業が供給者目線ビジネスを展開しがちなことに、こういった背景を一枚噛んでいるかもしれません。

そして、世界中で今後、もし需要者目線のビジネス展開が成熟してきたら、ポーター教授は失職してしまうのでは、、、と余計な心配が一瞬脳裏をよぎりました笑

実は、私は「強みを活かす」的な発想をしても、間違いでないのでは、と考えています。
ただし、「強み」、競争戦略論的には「競争優位」ですが、その質をよく考えることは重要と考えています。
その質とは大きく2つに分かれる気がします。

供給者目線の強み=例:他社比の技術的優位性
需要者目線の強み=例:顧客に訴求力ある商品orサービス。またその構想力

そして、「需要者目線の強みを活かそう!」という形であれば、ビジネス的にもまともな議論もできる気がしています。

ただ、この二つの強みの違いも、まぁ切り口の違いに過ぎないのかもしれません。
例えば、わかりやすく恋愛に例えると、男性のスペックについて
・お金持ち
・イケメン
・英語が喋れる
・背が高い
というのは供給者目線の強みかと思います。どうでもいい人にとっては本当にどうでもいいですからね。
一方、
・お金持ちで、彼女の夢であるニュージーランド入学(ワーホリ付き、合計2年間)を金銭的+精神的にサポートできる
・イケメンで、連れて歩くだけで彼女は他の女性に対していい気分になれて、学生時代のコンプレックスが少し和らぐ
・英語が喋れて、海外でレゲエを聴きまくることが趣味の彼女の旅行を全面サポートすることができる
・背が高くて、部屋のモノを高いところに置く趣味がある彼女のヘルプが容易にできる(こんな人いるか笑)
といえば、需要者目線の強みにも見えますね。
基本的には同じものなのですが、切り口が違うだけで、供給者目線か需要者目線かに変わる。
このように誰の目にも映るものを、どういった切り口できるか、が以外と需要者目線の考え方のコツなのかもしれませんな。