「依存性」がありうる食べ物の候補〜タルティフレット〜

先週、商品開発において「依存性」というキーワードが重要なのでは、という話をしましたが、今日は具体的に「依存性」を引き起こしそうな(←合法的に)食べ物のアイデアを紹介したいと思います。

タルティフレット(Tartiflette)という言葉をご存じでしょうか?
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これは、私が住んでいたグルノーブルやその他アルプスに近い街でよく食べられている食べ物で、平たく言えば、ルブロッションという濃厚なチーズを使ったグラタンです。
材料はこのチーズの他、玉ねぎ、じゃがいも、分厚いベーコン、クリームだけです。
これだけシンプルな料理なのですが、焼けたルブロッションはそんなに高級なチーズじゃないわりに、、日本人にあまり馴染みがないけど食欲をそそる、芳醇な香りを発します。
あと、クリームを市販の液体クリームでなく、然るべくところに売られている固形クリームで使うだけで、濃厚な味付けが加わり、なかなかいい意味でクセがあるグラタンになります。
以前、ホームパーティに作ってもって行ったのですが、現地で焼き上げたところ、何とも言えない匂いに釣られた人々が群がり、グラタンに似合わない真夏だったにも関わらず、5分ほどですべてなくなってしまいました。
その時の写真を紹介します。

材料一覧

ルブロッションというチーズはこんな感じです

準備終了

焼き上げるとこんな感じです

日本ではまだあまり知られていない料理なので、これをちょっとファーストフード的なニュアンスで販売(店頭+通販?)したら面白いかなと勝手に思っています。万人に受けそうにないところがいい笑

ただ、ポイントとなりそうなところがいくつか。
まず、ルブロッションの入手です。
これフランスでは結構普通にスーパーで売っているチーズで、そのスーパーで売っているものを使っても結構美味しくできるのですが、日本ではあまりチーズ店で売ってないですね。

東京・学芸大学駅の近くにあるEURO ART(ナチュラルチーズ専門店 | チーズ通販 Euro Art ユーロアール)は素晴らしいチーズ屋さんで、ここで良質なルブロッションが売られているのですが、ちょっと採算的にきついかもしれません。
あと、意外と重要なのがクリームです。
日本でクリームというと、あとちっちゃい牛乳パックに入った液体のクリームというイメージが強いですが、フランスではスーパーで濃厚バージョンであるCreme Epaisse(クレームエぺス)という固形のクリームが売っています。このクリームは本当に固形で、火を通すと溶けて濃厚なクリームになるのですが、ルブロッションの強い香りの受け皿として、これを何としても使いたいところです。
しかし、日本ではクレームエぺスは輸入品スーパーでも見たことがありません。
この部分も少し一工夫が必要となります。
もし通販ならもう少し問題になりそうな論点と、その対策があるのですが、それを話すと長くなるので、このへんで。。。

けど、結構、このチーズ、匂いが強いので、嫌だ!という人もいると思います。
私は逆にそれがいいと思っていて、「依存性」を引き起こすくらいの食べ物って、だいたい一部の人々からは蛇蝎のごとく嫌われているような気がします。天下一品のラーメンなんて、その典型でしょう。

そんな話でした。ご参考まで。