桜宮高校の事件と組織運営のプラグマティズム

桜宮高校の事件についてこのような興味深い記事がありました。
窪田順生の時事日想:桜宮高校バスケ部キャプテンの自殺の原因は「体罰」ではない (1/4) - ITmedia ビジネスオンライン
私はこの記事の味方に合意しています。
大枠はこの記事に書かれているようなメカニズムが働いていたのだと思います。少年は「体罰」により自殺したのでなく、バスケ部という「軍隊」の「戦績」向上、そして教諭の立身出世のための「捨て石」とされた、という理解で大枠は外れていないのでないかと思います。

本当にいたたまれない事件ですが、一方で組織運営のプラグマティズムという観点からは、このような方法が合理的な一面を持っています。マキャベリの時代から、現代の企業運営まで、ある組織に緊張感を持たせ根本的に活性化させるのは、その組織の構成員の血や涙だったりします。例えば、マイクロソフト日本法人は嘗て毎年社員の10%をクビにして、また新規採用して入れ替えていたそうですが、まさに組織のプラグマティズムを活用した好例と思います。

一方で、組織運営のプラグマティズムが、発展途上の子供達が集う学校教育の場に適用されるのが論外です。組織運営のプラグマティズムは時に有用で、知っておくべきだと思いますが、社会に出てから、体得すべきでしょう。

いろんな意味で示唆に富む事件です。
自殺してしまった少年のご冥福、そして、彼の命がまた桜宮高校をはじめとするすべての学校教育の現場改善の種となることを祈ります。